当院は、診断から検査までを早く、正確な診断を行い、適切な治療につなぐ、胃・大腸の内視鏡検査を行っています。
検査時の痛みを少なく、昨日あるいは当日の排便時出血で受診された場合、その日のうちに直腸、S状結腸までの大腸カメラ検査を行います。直腸に病変があれば、その時点で出血源がわかります。そしてその出血源が腫瘍なのか痔なのか、それともそれ以外なのかなども同時にわかります。病変がわかれば治療にとりかかることができます。
逆流性食道炎
逆流性食道炎とは
胃酸が胃から、食道に逆流して、食道粘膜を傷つけて、胸やけやつかえ感や痛みなどの不快感をおこす病気です。
逆流性食道炎の症状は?
この病気が強く疑われる症状は、2つあり、胸やけと呑酸です。胸やけは、みぞおち(上腹部の真ん中)から胸あるいは背中に感じる焼けるような不快感です。もう一つの症状の呑酸は、胃から、胃酸が口まで逆流することにより、酸っぱい味がすることです。その他にも、胃酸の逆流がひきおこす可能性があると考えられる症状に、上腹部痛、胃もたれ、胸痛、咳、喉の不快感、吐き気などがあります。
胸やけについて
はっきりとした症状なので、胸やけと聞いて、はい、その症状がありますとか、ああ、あの不快な症状ねと答えられる人は、胸やけを経験したことがある人で、それと違って、胸やけって、なんのことと思う人は、胸やけを経験したことがない可能性が高いと思います。
呑酸について
これまた、わかりにくい言葉です。呑酸(どんさん)と読みますが、酸を飲(呑)むとは、どういうこと、となりそうですね。気分が悪くて嘔吐したときに酸っぱい味がすることがありますが、それと同じで胃酸の逆流によるものです。
逆流性食道炎の原因は?
食道と胃の間が、ゆるいことがあります。通常、胃の中の物が、もどりにくくなるように、逆流防止弁のようなはたらきをする筋肉があります。筋肉が収縮することにより、逆流をふせぐわけですが、この働きに異常があると逆流しやすくなります。お年寄りで、背中が曲がったりすると食道裂孔ヘルニアという、胃が横隔膜を越えて、胸のほうに飛び出すような状態になります。逆流防止機構が破綻して、逆流がおこりやすくなります。食後など胃に食べ物が入っているときに、胃を圧迫するような動作をすると逆流がおこります。例えば、デスクワークをする、そうじをする、モノを両手で抱えて運ぶなどの作業をするなど少し前かがみの姿勢で作業をすると胃が圧迫されて、逆流が起こります。あるいは、食べてすぐに横になると逆流しやすくなります。
診断?
胸やけや酸っぱいものが上がってくるなど典型的な症状あるなら、逆流性食道炎の可能性が高いと思います。ただ、難しいのは、胃酸逆流のせいで起こるといわれる胸やけでも、胃酸逆流がない人は、むかつき(嘔気)や胃が重い感じ、あるいは、胃の痛みや食欲がないことを胸やけと表現しており、一人ひとりで、胸やけとあらわす症状が違うことです。こういうこともあり、病院では、問診に加え内視鏡検査で、診断しています。
治療は?
治療は、大きく3つに分けられます。それは、①生活の改善②薬物治療③外科治療です。
①生活改善
- 腹圧を上昇させるような重いものを上げる作業や前かがみの仕事、怒責を伴う仕事は胃酸が逆流しやすくなるので減らす。
- 食後にすぐに横になることを避ける。寝るときは、頭をすこし高くなるようにして寝る。右を下にして寝ると逆流しやすいので避ける。
- 就寝前の摂食や過食を避けて、脂肪、甘味、香辛料、酸味の強い果物などを避ける。
- 酒、たばこ、などを避ける。
- おなかを締め付けるような服装を避ける。ベルトなどで締め付けない。やせることも重要。内臓脂肪により胃を圧迫するから。太って症状がでるようになった人は多い。
②薬物療法
- 胃酸を抑える薬、消化管運動機能改善薬、粘膜保護薬、抗うつ薬など
③外科的治療
- 通常手術、内視鏡手術